日焼けしてこそ元気な子?

「日光浴」が母子手帳から消えたわけ

現代の子供の親世代が生まれた頃の母子手帳には「赤ちゃんや子供には日光浴をさせましょう」という記載がありました。病気にまだ抵抗力が低い赤ちゃんや、病気にかかりやすい子供には、紫外線より得るビタミンDで骨を発育させ、健康な体にしましょう!といった、日本古来の思想によるものでした。1998年、母子手帳から「日光浴」の言葉が消え、それに替わる「外気浴」が登場しました。

外気浴とは、外気に触れることで気候の変化に慣れる、皮膚の代謝機能を高めることが目的です。さらには1日に必要なビタミンDは、食生活で摂取可能ですし、夏の日の光でしたら2、3分でよいことも判明しました。つまりは太陽の光、紫外線でわざわざ浴びなくてもよいのです。それよりも紫外線から敏感な子供の肌を守ることのほうが大切。成長期の早いうちから紫外線対策をとるよう、お母さんの気配り、心配りが必要なのですね。

「日光消毒」で子供も消毒?

天気のいい日にパリッと乾くたくさんの洗濯物は、気分爽快。日の光をたっぷり浴びたふかふかのお布団も、とても気持ちがいいですよね。これは脳がα派を出している、つまりリラックス状態にあるためです。普段使っている靴、ふきんやまな板などの調理道具を日に当てるよう、家庭科の授業で習いませんでしたか?これは日光消毒といって、紫外線の殺菌作用によって、カビや雑菌を殺すためです。

リラックスや殺菌。私たち人間は太陽の光に与えられているものも、たくさんあります。では紫外線を浴びれば、子供の体の菌を殺し、体内の毒を消してくれるのでしょうか?答えはもちろん「ノー」です。紫外線は体を突き抜けない放射線と言われています。それだけ強い力があるのです。人体に大切な細胞をも殺してしまう可能性を持っています。心のリラックスと体への害。この2つを理解し、上手に付き合っていくことが大切なのですね。

日焼けが遺伝子を傷つける〜皮膚の一生42日〜

人間の皮膚は42日で1サイクルとされています。皮膚の細胞は新陳代謝を繰り返していくことで、常に新しく、一定の厚さを保っています。しかも皮膚細胞は20種類以上のたんぱく質の働きで、紫外線によって作られたDNAの傷を治していきます。このたんぱく質、間違ったDNAを発見し切り取る役目、DNAの傷を発見する役目をもったものの2種類あるのです。

しかし過度の日焼けによってできた多量の傷には、この働きが追いつくことができなくなります。そのため適切な処置がなされなかったり、多くの傷が残ってしまいます。DNA遺伝子の傷は、普通2日間くらいで治され、元のプログラムに戻ることができます。しかし、傷が治らないとプログラムも直りません。その結果、間違ったプログラムを作成してしまう、DNAの突然変異を引き起こしてしまうのです。これは、皮膚がん発生の確率を高めていることを意味しています。子供の頃からスキンケアをせず、強い日焼けを繰り返してきた人は、皮膚がんの一歩手前、日光角化症と呼ばれる前ガン症になる率が高いことが、調査結果でもわかっています。

日焼けサロンに通って、あえて日焼けの状態を作ろう、1年中日焼けの状態を維持しようとする人もいます。日焼けサロンは紫外線を使用しています。ですので、その紫外線が与える皮膚への影響は、太陽紫外線が与えるものと全く同じです。日焼けサロンのほうが、紫外線と肌までの距離が太陽紫外線よりも近く、肌に与えるダメージは強いと言えます。

小さなお子さんを持つお母さんにとっては、日焼けサロンなんてまだまだ先の話。しかしお母さんが肌細胞の持つ能力、紫外線と肌の関係、日焼けサロンによる皮膚への害など、きちんとした知識を得ておくことで、後に子供が成長した際に、注意を促し肌を守ることの大切さを教え、導くことができることができるのです。

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